建築確認をめぐるあれこれ

新潟の地震についての詳しいレポートが入ってくるたびに建築に携わるものとして胸が痛くなります。

【特集】地震被害 @ 日経BP (KEN-PLATZ)

木造の耐震については思うところを前も書きましたし、続報もありますので、そのうちに書かせていただきたいと思っています。

今回は建築基準法改正後の建築確認についてです。先週、某民間建築確認審査機関へ行ってきました。建設会社の社長ではありますが、ほとんど設計の担 当者に行ってもらっていて私自身がその会社に行くのは実は今回初めてでした。私自身も改正後の実務に触れたいという思いで建築確認の提出に同席しました。

今回の改正で、基本的に建築確認申請を行った後の図面の修正ができなくなりました。また木製品を含む内装材は品番まで確定させて添付することが必要 になります。つまりは、確認申請前にすべてを決定し、全く間違のない状態にしておかなければなりません。極端なことを言うと、人間なのだから多少間違いが あってもあとで修正していけばいいとか甘い考えは捨てなければいけませんし、お施主様が建築途中で内装を変えたいという要望をいただいても現場をとめるく らいの勢いでないとできないということになります。

実は不勉強でよく理解していなかったのですが、こうした事態を実務に適合させるために、「事前相談」、「事前協議」といわれる制度が案外広く行われているのだそうです。

大阪府建築確認申請事前審査制度について

高知県建築確認申請書の事前協議の実施について

建築確認検査 @ 財団法人日本建築総合試験所

私がお邪魔した国内で相当に規模の大きい確認機関では「事前相談」と呼ばれていました。

「相談」であっても、実質建築確認で必要とされる書式すべてと、「チェックシート」と言われる確認審査でチェックされるであろう主な項目について建築確認申請書を作成した建築士自身がチェックした内容を提出することになっていました。

行ったときの話しでは、「チェックシート」は今後かなり見直されるだろうということでしたが、構造設計以外の部分ですがすでにもかなり仕事は増えて いるのに、かなりの業務量が増えることになります。それに、事前相談でほとんどの確認審査業務が終わってしまうのなら、なんのために建築基準法で申請書の 差し替え等を規制したのかよくわからなくなりはすまいかと思いました。逆にかわいそうなのは、確認審査機関で事前相談の時点では手数料を徴収できません。 事前相談だけして計画が終わってしまったりしたら、ただ働きになってしまうのではないでしょうか?

ともあれ、こうした確認審査機関がこうした制度を取り入れてくださらなければ現場の混乱はもっともっとひどくなっていたと考えられるので、本当にこ うした確認審査機関には感謝しなければなりません。これも聞いた話ですが、ピアチェックの対象とされ何ヶ月も着工が遅れている仕事があるとも聞いていま す。あるいは、着工してから改正後の基準とあっていないことが発見され3ヶ月以上も現場がとまっているケースもざらにあるようです。

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